あの日の桜



「お、亜子。今日はまき絵達どうしたの?」

「みんな部活やねん。サッカー部だけ今日休みやから…釘宮は?」

「んー、あたしも似たようなもんかな。せっかくだし、ちょっと付き合ってよ」

「えーよー、丁度ヒマやったし。どこいく?」

「…あそこいこうよ、久しぶりにさ」

 

麻帆良中等部の体育館の横を抜け、ダビデ像を通り越し、長い階段を

上りきると、そこにそれはある。

 

「わああ…、あの時と一緒や、満開やー」

桜を見上げて亜子。世界樹と並んで学園の象徴ともいえる桜、千年桜。

本当に千年咲いているかどうかなんて誰も知らない。また、今の私たちにとっては

至極どうでもいい事。

 

「綺麗だね」そうつぶやく

「ほんまや、綺麗やわ」亜子が返す

樹の根元にすわりこみ、下から眺めてみた。散ってくる花びらが、亜子のスカートにかかる。

そっとつまみ上げ、亜子の髪にのせてみる。

「あはは、ちょっとした髪飾りや、ありがと」

また微笑む。他には誰もいない、ただ、私だけに微笑む。

 


「亜子…」

「へやっ」

そっと抱き寄せ、キスをする。久しぶりのキス、心が跳ねる。

「ん…」可愛い吐息。抵抗はない。背中にまわした手に少しだけ力をこめる。

 

 

数分後、亜子を解放した。亜子は顔を赤らめて、私を見つめていた。きっと私もそうなっていただろう。

「あはは、やっぱりあの時と一緒やったね」

亜子はまた抱きついてきた。相変わらず、まわりには誰もいない。二人の時間、二人の場所。

 

 

 


はじめて、キスをした場所。


はい。

 

もうね。

 

書いてて恥ずかしいです。

 

じゃあ書くなって話。

原作の亜子の回で釘宮とのコンビがやたらツボにはまったので書いてみたら

百合になってしまいましたすいません。


 

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